就職活動などに使われる市販の履歴書には、一般に性別欄があります。ただ、性別で採用判断を左右することは法律で禁じられており、生まれた時の体の性別と異なる性で生きるトランスジェンダーの人らに、性自認の公表を強いることにもつながりかねません。当事者らがメーカーなどに性別欄の削除を求めると、状況は動き出しました。
拡大する履歴書から性別欄をなくすように申し入れたあと、記者会見する佐藤悠祐さん(左から2人目)ら=2020年6月30日午後、東京・霞が関の厚生労働省
「性別欄があることで、(トランスジェンダーの)当事者は困難を抱えています」
履歴書から性別欄をなくすことを求める1万筆以上のネット署名を手渡すため、6月下旬に経済産業省を訪れた佐藤悠祐さん(28)は、そう担当者に訴えた。
NPO法人「ReBit(リビット)」の2018年の調査では、トランスジェンダーの人の約半数が、就職活動の際に困った点として「履歴書に性別記載が必須」であることを挙げた。佐藤さん自身、生まれた時の体の性別は女性だが、男性と自認するトランスジェンダーの当事者として、困ってきた一人だ。
採用担当者が「あり得ない」
ある採用面接では、市販の履歴…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル